フランチャイズ

フランチャイズ契約の法定開示書面(記載事項)【franchise #3】

はじめに

(この記事は2021年4月5日に作成されたものです。)

中小小売商業振興法11条1項の「特定連鎖化事業」に該当するフランチャイズ事業を展開している本部は、加盟者に対し、法定開示書面の交付とその説明を行わなければなりません。

法定開示書面の記載事項は中小小売商業振興法11条1項と同施行規則10条・11条に列挙されていますが、私自身、法定開示書面のチェックにおいて、条文を行ったり来たりして面倒ですので、以下、記載事項を列挙しました。

なお、全てのフランチャイズ事業が「特定連鎖化事業」に該当するわけではありませんので、どのような場合に「特定連鎖化事業」に該当するかは、別途記事を作成しましたので、よければご参照ください。

法定開示書面の記載事項

加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項

  1. 徴収する金銭の額又は算定方法
  2. 加盟金、保証金、備品代その他の徴収する金銭の性質
  3. 徴収の時期
  4. 徴収の方法
  5. 当該金銭の返還の有無及びその条件

加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

  1. 加盟者に販売し、又は販売をあつせんする商品の種類
  2. 当該商品の代金の決済方法

経営の指導に関する事項

  1. 加盟に際しての研修又は講習会の開催の有無
  2. 加盟に際して研修又は講習会が行われるときは、その内容
  3. 加盟者に対する継続的な経営指導の方法及びその実施回数

使用させる商標、商号その他の表示に関する事項

  1. 当該使用させる商標、商号その他の表示
  2. 当該表示の使用について条件があるときは、その内容

契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項

  1. 契約の期間
  2. 契約更新の条件及び手続き
  3. 契約解除の要件及び手続き
  4. 契約解除によつて生じる損害賠償金の額又は算定方法その他の義務の内容

前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

  1. 当該特定連鎖化事業を行う者の氏名又は名称、住所及び常時使用する従業員の数並びに法人にあつては役員の役職名及び氏名
  2. 当該特定連鎖化事業を行う者の資本金の額又は出資の総額及び主要株主(発行済株式の総数又は出資の総額の百分の十以上の株式又は出資を自己又は他人の名義をもつて所有している者をいう。)の氏名又は名称並びに他に事業を行つているときは、その種類
  3. 当該特定連鎖化事業を行う者が、その総株主又は総社員の議決権の過半に相当する議決権を自己又は他人の名義をもつて有している者の名称及び事業の種類
  4. 当該特定連鎖化事業を行う者の直近の三事業年度の貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書類
  5. 当該特定連鎖化事業を行う者の当該事業の開始時期
  6. 直近の三事業年度における加盟者の店舗の数の推移に関する事項(イ 各事業年度の末日における加盟者の店舗の数、ロ 各事業年度内に新規に営業を開始した加盟者の店舗の数、ハ 各事業年度内に解除された契約に係る加盟者の店舗の数、ニ 各事業年度内に更新された契約に係る加盟者の店舗の数及び更新されなかつた契約に係る加盟者の店舗の数)
  7. 直近の五事業年度において、当該特定連鎖化事業を行う者が契約に関し、加盟者又は加盟者であつた者に対して提起した訴えの件数及び加盟者又は加盟者であつた者から提起された訴えの件数
  8. 加盟者の店舗の営業時間並びに営業日及び定期又は不定期の休業日
  9. 当該特定連鎖化事業を行う者が、加盟者の店舗の周辺の地域において当該加盟者の店舗における小売業と同一又はそれに類似した小売業を営む店舗を自ら営業し又は当該加盟者以外の者に営業させる旨の規定の有無及びその内容
  10. 契約の期間中又は契約の解除若しくは満了の後、他の特定連鎖化事業への加盟禁止、類似事業への就業制限その他加盟者が営業活動を禁止又は制限される規定の有無及びその内容
  11. 契約の期間中又は契約の解除若しくは満了の後、加盟者が当該特定連鎖化事業について知り得た情報の開示を禁止又は制限する規定の有無及びその内容
  12. 加盟者から定期的に金銭を徴収するときは、当該金銭に関する事項(イ 徴収する金銭の額又は算定に用いる売上、費用等の根拠を明らかにした算定方法、ロ 商号使用料、経営指導料その他の徴収する金銭の性質、ハ 徴収の時期、ニ 徴収の方法)
  13. 加盟者から定期的に売上金の全部又は一部を送金させる場合にあつてはその時期及び方法
  14. 加盟者に対する金銭の貸付け又は貸付けのあつせんを行う場合にあつては、当該貸付け又は貸付けのあつせんに係る利率又は算定方法その他の条件
  15. 加盟者との一定期間の取引より生ずる債権債務の相殺によつて発生する残額の全部又は一部に対して利息を附する場合にあつては、当該利息に係る利率又は算定方法その他の条件
  16. 加盟者の店舗の構造又は内外装について加盟者に特別の義務を課すときは、その内容
  17. 特定連鎖化事業を行う者又は加盟者が契約に違反した場合に生じる金銭の額又は算定方法その他の義務の内容

おわりに

以上、フランチャイズ契約の法定開示書面の記載事項を整理しました。